夕刻葬を案内する都心の葬儀会館ロビー

東京博善、2025年12月から「夕刻葬(夜火葬)」を試験導入

東京博善は2025年12月、桐ヶ谷斎場で午後6時から告別式、午後7時から火葬を行う新サービス「夕刻葬(夜火葬)」を試験導入すると発表した。仕事帰りに参列しやすい時間帯を活用することで、日中の火葬炉混雑を避け、遺族の都合にも柔軟に応えられる点が特徴だ。2026年2月からは東京23区にある6つの自社斎場へ順次展開し、都心部で課題となっていた火葬枠不足の解消を目指す。同社は公式サイトで時間帯別の火葬空き状況をリアルタイム開示する仕組みも整備し、予約負担の軽減や相談のオンライン化を並行して進める。多死社会が進むなか、夕刻の時間帯を活用した葬儀運営は人員配置の平準化や施設稼働率の向上にもつながるとみられており、葬儀社の新たな差別化策として注目を集めている。さらに、夜間帯でも落ち着いた雰囲気を演出できるよう照明演出や音響設計もアップデートされ、参列者の心理的負担を抑える配慮が行き届いている。利用者アンケートをもとにしたアフターサポートの強化や、僧侶手配のオンライン予約といった周辺サービスの連携も予定されており、従来の一日葬モデルを超えた新たな標準化が図られる見込みだ。

記事提供
株式会社広済堂ホールディングス
公開日
2025-11-10